愛と裏切りとスペクタクルな階
ジイ様が近寄っていくと、トロールは男にとどめを刺し、ジイ様に向き直りながら叫びます。
あきらめな、魔法使い!
「あ!?ここまで来て諦めろってか!?バカかてめぇ!?なめてんのかてめぇ!?」久しぶりに怒り狂ったジイ様です。
このトウヘンボクめが!
かつーん!(効果音) そして ぴしゃーん!(効果音)
「電気ビリビリ骨まで見えちゃうこっつん杖(再度登場)」を炸裂させてトロールを殺害するジイ様でした。
さて、拷問を受けていた人物に近寄ると、彼は頭を上げました。彼はジイ様のことを知っているようです。
私の名はダンリック。良く聞くのだ。
モーダミアは何者かに捕らわれたのではない…。
ヤツこそがこの事件の黒幕なのだ。
ヤツは私の娘を誘拐し…脅迫し…巧みに操り…リングさえあれば…
ジイ様は1階からずうっとアイテム袋に入っている指輪を思い出しました。そしてダンリックに指輪を手渡すと、彼は指輪を使って呪文を唱え、ジイ様の前にボディスタチュー、マグネットハンド、ソニックプロテクトのアイテムを出現させました。
これらの魔法を使えば、モーダミアに対抗することが出来るだろう…
ダンリックはそこまで言うと意識を失ってしまいました。
ジイ様は、ダンリックから授かった魔法のアイテムを袋に詰めながら、「アンナちゃんはダンリックには似とらんのぉ」と思いました。「アンナちゃんは色白だし・・・」
ブツブツ言いながらジイ様がハシゴを降りていくと、そこには見慣れた顔が待ち受けていました。
ジイ様が挨拶しようと彼に顔を向けると、彼の尋常ではない表情に気づきました。
ダンリックに会ったのか?
何を聞いた?
ヤツはモーダミアについて語っただろう、違うか?
仕方ない、お前を始末する。
モーダミアの命令だ。
「モーダミアの命令で私を殺す?師匠は私を殺そうとしているのか?私は、捕らえられた彼を助けようとしているのではないのか?」ジイ様は不可思議に思いながら、彼との戦いに挑みます。
地下1階からの付き合いではありますが、彼は特別強いわけではありません。助けたり助けられたりして、なんとなく親近感がわいてきたところだったというのに…。ハートブレイクなジイ様は、ワラに横たわります。
って、死体のすぐ横なんですが…。
どうせロクな夢は見れないじゃろう。ジイ様は、3日前に見た泉の夢を思い出しているうちに眠り込んでしまいました。
部屋の中で、役人らしき人々と、魔法使いの人々との会議が開かれているようです。役人たちは泉の水の独占を望み、侵略を計画しているようです。魔法使いたちは自分たちで創造した武器について論議しているようです。その武器には何か重大な問題があるようです。
夢が変わり、誰かがドラゴンと戦っている光景が浮かび上がってきます。ドラゴンが火を吐きます。しかし、魔法によって炎は防がれました。ブリンク、ファイヤープロテクト…2種類の魔法を駆使してドラゴンと戦っているようです。
ドラゴンが軍隊に襲い掛かったその瞬間、何かがかかげられ、呪文が唱えられました。閃光が走り、ドラゴンはいとも簡単に倒れてしまいました。再び閃光が走り、全てのドラゴンは死に絶えます。軍隊はダンジョンの出口をふさぎ、ドラゴンたちを閉じ込めます。しかし、ドラゴンたちのうちの一頭が…。
ジイ様は、そこで目を覚ましました。傍らに死体があるのに気づき、彼を殺したことを再認識するジイ様でした。
ハシゴを降りる途中から水の音が聞こえます。ここか!ゴブリンが言っていた泉とは!ハシゴの近くにゴブリン達が用意してくれたと思われるタルが浮かんでいます。
よいしょっと・・・
ジイ様は杖をオール代わりにして④へ進みます(③が無いけど、どんまいどんまい)。「なるほど、こいつがノーラックか…。デカいタコじゃのぉ。ハリーハウゼンもビックリじゃ。」ジイ様は頭上で合図するゴブリンに気づきました。「ゴブリン達も準備は出来ているようじゃのぉ。ようし、やったろうか!!」ジイ様はノーラックの攻撃範囲ギリギリまで進むと、すぐに踵を返します。そして猛ダッシュで⑤へ向かって進みます!
ゴブリンはノーラックがジイ様を負いまわしているうちに水門の開放に取り掛かります。
こうならないように、頑張れジイ様!
「うひ~、疲れたよー!もう腕がもげちゃうよ~!!もう漕げないよ~!!誰か助けてー!きゃー!」ジイ様の泣きが入っただけでなく、隠れた趣味が垣間見えたところで、ようやく⑤に到着します。
「ふぃ~、やれやれ…あれ、うそ!ガボッ!?」ジイ様は勢いあまって渦巻きの中に入ってしまいました。ガボボボボ…。しかしジイ様を追って来たノーラックも渦巻きに吸い込まれていきます。
ジイ様、良くやった!!あんたの勇気は忘れないよ!安らかに眠れ!!…って、我らがジイ様はコレくらいでは死にません。
特別ふろく:頑張るゴブリン君